グレープフルーツジュースを飲まないでって言われるのはなんで?
血圧のお薬を飲んでいて、グレープフルーツジュースなど避けるように
言われたことはありませんか?
避けるように言われる理由は「相互作用で薬の効果が強まるから」です。
副作用リスクの問題ですね。
1.影響ある薬はどんなの?
相互作用のある薬は例として以下のものがあります。
※種類:成分名(商品名)
- 降圧剤:ニフェジピン(アダラート)、ベニジピン(コニール)など
- 高脂血症:アトルバスタチン(リピトール)など
- 抗てんかん薬:カルバマゼピン(テグレトール)
- 免疫抑制剤:シクロスポリン(ネオーラル)、タクロリムス(プログラフ)
上記以外にも多数の薬剤の効果が強まる可能性があります。
2.影響する理由は?
グレープフルーツに含まれている「フラノクマリン類」と呼ばれる成分が、
人間の小腸にある医薬品代謝酵素(CYP3A4)を邪魔します。
その為、分解されていた成分がグレープフルーツによって分解されなくなり、
多く吸収されてしまうことになります。
体内の薬の量が増えてしまう為、副作用のリスクが上がってしまうんですね。
グレープフルーツジュースを飲むだけでも、
数日は阻害効果が出ることもあるそうです。
3.他の果物はどう?
グレープフルーツ以外の柑橘や果物でも、相互作用が起こることがあります。
影響があるもの
[柑橘類]グレープフルーツ、だいだい、八朔、ポンカン、夏みかんなど
[その他]ザクロ、イチジクなど
影響が少ないもの
[柑橘類]温州ミカン、レモン、カボス、柚子など
[その他]リンゴ、ブドウなど
特に強力で身近なものがグレープフルーツである為、
よくグレープフルーツジュースは避けてって言われるんですね。
フラノクマリン類は果皮や果肉に含まれていることが分かっています。
影響ある食品のジュースやゼリーなどは、お薬を飲んでいる間避けましょう。
出典:大阪国際がんセンター、高の原中央病院DI、土谷総合病院、愛媛大学医学部付属病院薬剤部DI、Saita T et al. Screening of furanocoumarin derivatives in foods and crude drugs by enzyme-linked immunosorbent assay. Jpn. J. Pharm. Health Care Sci. 2006; 32:693-699、日本薬学会